厚生労働省の「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会」が報告書をとりまとめました。
報告書ではまず、障害者雇用の「質」について、その規定および向上に向けたガイドライン等の創設、事業主の認定制度の拡大やインセンティブの在り方、そしていわゆる「障害者雇用ビジネス」への対応が論点として挙げられています。
また、障害者雇用率制度等の在り方については、障害者手帳を所持していない難病患者や精神・発達障害者、就労継続支援A型事業所等の位置付け、精神障害者について障害者雇用率制度に「重度」区分を設けること、精神障害者である短時間労働者の算定特例等が論点として挙げられています。
中小企業への影響が大きそうな論点が、障害者雇用納付金の納付義務の適用範囲拡大についてです。
現在、常用雇用している労働者が100人を超える事業主には、障害者法定雇用率が未達成の場合、不足する障害者数に応じて1人当たり月額5万円の障害者雇用納付金を納付する義務が課されています。
常用労働者100人以下の事業主に対しても、納付金の納付義務の適用拡大を行なって障害者雇用を促進する方向性で検討を深めるべきとする意見がある一方、障害者雇用相談援助事業等を通じた支援等で中小企業における障害者雇用の進展を確認した後に、改めて検討するべきといった慎重な意見もあります。
受入れ体制の整備には相当な準備期間を要する、企業支援機能のさらなる拡充が必要、「事業協同組合等算定特例制度」をより効果的で利用しやすい制度へと見直す必要がある、といった意見もありました。
今後、こうした意見を十分に踏まえ、障害者雇用促進法の基本的考え方である社会連帯の理念に基づき、議論を進めていくこと、あわせて障害者雇用ゼロ企業等に対する雇用に向けた支援や、雇用後の定着支援を中心に、中小企業に対する企業支援機能を一層強化する具体的方法を検討していくことが必要であるとまとめています。
厚生労働省は、報告書で示された検討の方向性に従ってさらに議論を進めていくとしています。
出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック