③もう一つの「103万円の壁」

103万円の壁と年末調整

「103万円の壁」という言葉。皆様は耳にしたことがありますか?
令和7年12月1日から施行される所得税にまつわる税制改正と、それに伴い年末調整への影響が原因でこの「103万円の壁」が騒がれております。

これについてよく分からない方が多くいると思いますので

  1. 「103万円の壁」とは
  2. 税制改正の内容と変化⑴
  3. もう一つの「103万円の壁」
  4. 税制改正の内容と変化⑵
  5. 新制度について
  6. 年末調整について

上記①~⑥の計6回に分けて簡単に説明していきます。

今回は③となります。

③もう一つの「103万円の壁」

実は「103万円の壁」にはもう一つの意味があります。それは
【扶養控除が適用できるラインは、16歳以上の扶養親族の給与のみの年収が103万円以下】
ということです。

「扶養親族」とは改正前なら「ひとつの家計で共に生活している、合計所得が48万円以下の配偶者以外の親族」のことを指します。そして、16歳以上の「扶養親族」」を【控除対象扶養親族】と言います。ちなみに19歳以上23歳未満なら特定扶養親族です。

【扶養控除】とは【基礎控除】と同じ「合計所得から差し引かれる控除額」のうちの一種です。

簡単に言うと「16歳以上のお子様のアルバイト等の合計所得金額が48万円以下の場合に親御様が使える控除」といった感じです。

この合計所得金額48万円以下を年収に置き換えるとどうなるか。
①の記事で解説した通り、給与の収入には【給与所得控除】という控除があります。
控除額は改正前なら最低保証額は55万円です。そのため

48万円+55万円=103万円】

となります。これがもう一つの「103万円の壁」となります。

学生時代にアルバイトで働き過ぎないようにと親に注意された経験がある方もいるのではないでしょうか?
これは親が【扶養控除】を使えなくなるのが理由だったわけです。

税理士法人 池袋会計事務所
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